入り口 に立つ

日本橋高島屋での「犬塚勉展ー純粋なる静寂」に行ってみた。

チケット裏の紹介より
多摩に住み、美術教師をしながら、多摩や山の風景を描き続け、38歳で夭逝した画家、犬塚勉。
没後20年の2009年にNHK日曜美術館で紹介されると、多くの感動の声が寄せられて注目を集めました。山に登り、自然と一体となって描いた作品は、スーパーリアリズムともいえる精緻な筆遣い。あるがままの自然に魅入られ、谷川岳で遭難して幕を閉じた彼の人生は、すべて自然を描くことに捧げられたといっても過言ではありません。
本展では、遺された絵画とデッサンなど110点を一堂に展覧。


チケット表の作品「ひぐらしの鳴く」は、ぱっと見ると緑一色で塗られているだけ。。。?
と、思ってしまう。
でも、よく見ると草の葉一本一本丁寧に描かれていることに気付いて、どきっとする。
こんな緻密に描かれているとは。。。それも、パネル2枚に及ぶ大作だ。
はぁ〜。。。溜息が出る。
他の作品も、ぶなの木の幹をアップにしたものや、山の卵石などをリアルに描いてあるものなど、作家の自然に対する畏敬の念が感じられる。
それでいて、自分と闘っている。

相棒が「どうしても見に行く」と言った理由がわかった。

次、いつ見られるかわからないからね。
最後の作品が「渓谷への入り口」なんて、興味深いよね?
作家は、まだ、入り口に立ったばかり だった ってことだ。
バックを緑からグレーに変えてしまった というし、流れる水がどうしても気に入らなくて山に行き遭難した そうだから。
この作品は、未完成 と見たほうが いいのかもしれないね。

相棒とゆっくり見て廻り、最後まで来たけど、また最初から見直した。