香水という公害

終点近くで乗ってきたおばさん。
先ほどから、ずっと大きなバッグをかき回している。
彼女の探しているものがやっとバッグの中からみつかったようだ。
彼女はそれを取り出すと、いきなりそのビンのふたを取り彼女自身に向け3回プッシュした。
霧状と化した液体は、いやおうなく周りに振り撒かれ、どぎついにおいが辺りに充満する。
私は思わずハンカチを出し、鼻を覆う。
あぁ。。。
こういう人物にかぎって、周りに迷惑かけてないなどとほざくのだ。
十分迷惑なんだよ。
それとも香水に頼らないといけないほど加齢臭がするのか?

終点に着き、そそくさと降りていった彼女を見送ると、
私はくしゃみが出そうで出ない鼻をハンカチで覆ったままゆっくりと別のドアからホームに降り立った。